自動車同士の事故の場合、通常は任意保険会社が代行する
示談交渉付きの任意保険に加入していれば、多くの場合自分が交渉等に乗り出していく必要はありません。
保険会社同士が交渉してくれることが殆どだからです。
これは、双方に「損害」が発生しており、かつ、保険会社に賠償の責任が発生していることが条件です。
相手側に損害がない交通事故では自分で解決
そうでない場合は、保険会社は自分がお金を払う必要がありませんのでわざわざ出てきて、交渉を代行することはありません。
下の図のように、歩行者と車との事故の場合は、殆どの場合車側には損害が発生しないので、被害者側の任意保険会社が出てくることはありません。
その場合は被害者である歩行者が自分で相手側の任意保険会社と話し合いをする必要がでてきます。
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また、相手側にも損害があったとしても、こちら側に過失がなく賠償の必要がないような場合や、
逆にこちら側が飲酒運転などをして保険会社が支払を拒絶しているような場合も、任意保険会社が話し
合いを代行してくれませんので、自分で相手側保険会社と交渉することになります。
交通事故・自動車事故による損害賠償問題の解決は3〜5ステップ
- 交通事故直後: 事故が発生した直後に、加害者と被害者は以下のことを行わないといけません。
- 加害者:車を安全な場所に移動する、怪我の応急手当をする、救急車を呼ぶ、といった二次災害防止のための措置です。これらは道路交通法上定められた義務で、怠ると罰則もあります。次に警察への連絡で、これも道路交通法上定められたものです。警察への事故報告をしていないと、交通事故証明書が発行されず、そうなると保険金がおりない場合もあります。任意保険に入っている場合は保険会社にも報告をします。報告を怠ると保険金が支払われない場合もあります。
- 被害者:加害者の住所、氏名、連絡先を聞き出さないといけません。後でちゃんと連絡が取れるように、免許証等で確認しておきましょう。また、自賠責や任意保険の保険証書も見せてもらってメモを取っておきます。後で直接保険会社にコンタクトする必要が出てくるかもしれないからです。また、被害者は加害者と同様に二次災害を避ける義務と事故を報告する義務を負っています。これは法律上の義務であるとともに、保険金を受け取るための義務でもあります。
- 交通事故による損害額・賠償額算定: ケガが完治し通院やリハビリが終わった時点、もしくは、後遺症が残った場合は症状が確定した時点(症状固定時点)ではじめて受けた損害額が算定できます。この額をもとに加害者または保険会社に対して損害賠償請求をすることになります。逆に、通常はこの時点までは示談交渉は始まらず、従って保険金も受け取れません。(一部を前倒しでもらう手続きもあります。)
- 示談交渉: 加害者・被害者の双方が話し合って、損害賠償金額や、過失の割合、支払の方法等を話しあいます。示談代行付の任意保険に加入している場合は、示談交渉は保険会社がやってくれます。
- 調停: 両者での話し合いが難航し示談が成立しなかった場合は、裁判所に入ってもらって調停をしてもらうことになります。裁判官と裁判所の指定した調停委員2名で調停委員会を作り、双方の意見を聞いたうえで妥当なところで合意できるように提案や説得をしてくれます。通常、3回程度出廷し、3ヶ月程度の期間のうちに決着します。
- 裁判: 調停でも合意に至らない場合は訴訟に訴えることになります。合意に至らなかった当事者双方に代わって裁判所が双方の言い分、事実関係を考慮したうえで判決を下します。